著者：大稲荷神社

神社の参拝って、実は正しい作法がたくさんあるのをご存知ですか？『二礼二拍手一礼』『手水の使い方』や『お賽銭の金額』まで、気になるけど誰にも聞けない…そんな不安を感じていませんか。近年の調査では、参拝者の約6割が「マナーに自信が持てない」と回答しており、特に初詣や厄払いなど特別な行事では悩みが増加しています。

この記事では、鳥居をくぐる一礼の意味から拝礼の具体的手順、失敗しやすいポイントや地域ごとの違いまで、幅広い実例と専門的な視点で徹底解説します。実際に年間100社以上を巡った経験から、日常参拝や観光時に役立つリアルな情報をまとめました。

服装や持ち物、参拝に適した時間帯など、普段見落としがちな細かなマナーも網羅。神社とお寺の違いや御朱印の正しい受け方まで、今日から実践できる知識が身につきます。

「正しく参拝したい」「恥ずかしい思いをしたくない」と思ったことがある方は、ぜひ最後までご覧ください。あなたの疑問や不安が、きっと解消されます。

神社参拝の仕方｜基本作法と安心して参拝できる流れ

鳥居のくぐり方と参道の歩き方

神社に入る際は、まず鳥居の前で一礼します。これは神様の領域に入る敬意を示すためです。鳥居をくぐるときは、参道の中央を避けて歩くのが基本です。中央は神様が通る「正中」とされているため、一般の参拝者は右側または左側を静かに歩きます。帰りも同様に鳥居をくぐる前に一礼し、感謝の気持ちを込めて退出しましょう。

鳥居のくぐり方と参道の歩き方のポイントは以下の通りです。

• 鳥居の前で必ず一礼する
• 参道は中央を避けて歩く
• 帰りも鳥居の前で一礼する

神社によっては参道の幅や雰囲気が異なるため、周囲の様子を見ながら心地よい参拝を心がけてください。

手水舎での清め方（ひしゃく・流水の使い方）

手水舎では、手と口を清めて心身をリフレッシュします。手順は以下のテーブルにまとめました。

手順	内容	ポイント
1	右手で柄杓を持ち水を汲む	柄杓は水面につけすぎない
2	左手を洗う	水をこぼさないように注意
3	柄杓を左手に持ち替え右手を洗う	右手も丁寧に清める
4	再び右手に持ち替え左手で水を受けて口をすすぐ	柄杓に直接口をつけない
5	左手をもう一度清める	口をすすいだ後に再度左手を洗う
6	柄杓を立てて残った水で柄を洗い元の位置へ	次の人のために清潔に戻す

最近は花手水のような華やかな手水舎も増えていますが、基本の作法は同じです。口をすすぐ際は無理をせず、気になる場合は省略しても構いません。

拝礼（二礼二拍手一礼）の意味と正しいやり方

神前での拝礼は「二礼二拍手一礼」が基本です。この所作には神様への尊敬と感謝の気持ちが込められています。手順を順番に確認しましょう。

1. 深く2回お辞儀（礼）をする
2. 胸の前で両手を合わせ、2回柏手（拍手）を打つ
3. 再度深く1回お辞儀（礼）をする

両手は右手を少し下にずらして合わせるのが神道の特徴です。拍手の際は音を出しすぎず、心を込めて行います。願い事や感謝の気持ちを静かに伝えることが大切です。

間違えやすいポイントとして、拍手の回数やお辞儀の深さがあります。わかりやすく表でまとめます。

所作	回数	ポイント
お辞儀（礼）	2	背筋を伸ばし深く礼
柏手（拍手）	2	優しく音を鳴らす
お辞儀（礼）	1	最後に感謝を込めて

お賽銭の投げ方・金額・鈴の鳴らし方のタイミング

お賽銭は感謝や願いを込めて捧げるもので、金額に決まりはありません。一般的には5円や10円が縁起が良いとされています。封筒に入れたり、のし袋を使用する場合もありますが、心を込めることが最も大切です。

お賽銭と鈴の順番は以下の通りです。

1. お賽銭箱に静かにお賽銭を入れる
2. 鈴がある場合は鈴を鳴らして神様に参拝を知らせる
3. 二礼二拍手一礼の順で拝礼を行う

お賽銭のタイミングや金額の目安をリストにまとめました。

• 5円玉：「ご縁がありますように」と縁起を担ぐ
• 10円玉：円満を願う
• お札は丁寧に折らずそのまま入れる

鈴はお賽銭を入れた後、拝礼前に鳴らすのが基本です。マナーを守り、静かに行動することで神社で心地よい時間を過ごすことができます。

参拝時の服装・持ち物・参拝に適した時間帯のポイント

服装のマナーと避けるべきスタイル

神社への参拝では、清潔感のある服装を心がけることが大切です。特に格式の高い神社や初詣、祈祷などの特別な参拝時には、派手すぎない落ち着いた色合いの服装を選びましょう。季節に合わせた服装も重要で、夏は涼しくて明るい色のシャツやワンピース、冬は防寒を意識したコートやジャケットなど、天候や気温に合わせたスタイルが望ましいです。避けるべき服装として、露出が多い服、サンダル、ビーチサンダル、ダメージジーンズなどカジュアルすぎるスタイルは控えてください。

推奨される服装例	避けるべき服装例
シャツ・ブラウス	タンクトップ・キャミソール
ロングスカート・パンツ	ショートパンツ
ジャケット・カーディガン	サンダル・ビーチサンダル

格式ある場所では、帽子やサングラスも外すのが基本的なマナーです。お寺を参拝する場合も、同様に清潔感と控えめな装いを意識しましょう。

持ち物リストと便利グッズ

神社参拝に必要な持ち物は多くありませんが、必要最低限を準備することで快適に過ごせます。特に御朱印帳は、多くの方が参拝の記念として持参しています。手水舎で手を清める際はハンカチやタオルがあると便利です。また、長時間の参拝や観光を予定している場合は、飲み物や日傘、雨具も役立ちます。

• 御朱印帳
• 小銭（お賽銭用）
• ハンカチ・タオル
• マスク（混雑時や感染症対策）
• 日傘・雨具（天候に応じて）
• 携帯電話（マナーに配慮し使用）

財布やバッグは小ぶりで身軽なものを選ぶと、境内の移動もスムーズです。神社によっては撮影禁止区域があるため、カメラの使用ルールも事前に確認しておくと安心です。

参拝に適した時間帯と避けるべき時間

神社を参拝するのにふさわしい時間帯は、朝の静かな時間帯とされています。特に早朝は境内が清らかで、神聖な雰囲気を感じやすいとされています。多くの神社は午前中から夕方までが参拝時間となっており、日没後や夜間の参拝は控えるのが一般的です。また、友引の日は「勝負事に吉」とされますが、神社の参拝自体に特別な制約はありません。

時間帯	推奨度	理由
早朝	高い	境内が静かで清浄
午前中	高い	神職がいる場合が多い
夕方以降	低い	日没後は神聖さが損なわれる
友引の日	問題なし	参拝自体は問題なし

混雑を避けたい場合は、平日の午前中や行事のない日を選ぶと落ち着いて参拝できます。神社によっては参拝可能時間が異なるため、事前に公式サイトや案内板で確認しましょう。

願い事の伝え方と避けるべきタブー

願い事の伝え方と唱え方の実例 – 住所や名前を伝える理由と、具体的な願い事の言い方例を示す

神社で願い事を伝える際は、まず神様に自分がどこの誰なのかを明確に伝えることが大切です。これにより、神様が参拝者の願いを正確に受け止めやすくなります。参拝時は心を落ち着け、以下のような手順で願い事を伝えましょう。

1. 深呼吸し、静かに神前に立つ
2. 「住所」「名前」を心の中でゆっくり伝える
3. 願い事を具体的に、簡潔な言葉で伝える
4. 感謝の気持ちを忘れずに伝える

例えば、「東京都○○区○○、○○○○です。いつも見守ってくださりありがとうございます。家族が健康で過ごせますようお願いいたします。」というように、住所・名前・感謝・願い事の順で唱えます。

願い事を伝える際は、「○○できますように」「○○を頑張りますので見守ってください」など、前向きな言い方が好まれます。お願い事が複数ある場合は最も叶えたいことを一つだけ選んで、心を込めて伝えるのが良いとされています。

下記のテーブルでポイントをまとめます。

伝える順序	例文例
住所・名前	「東京都中央区○○、山田太郎です」
感謝の言葉	「いつも見守ってくださり感謝します」
具体的な願い事	「家族が健康で過ごせますように」

避けるべき願い事と参拝のタブー – 不適切な願い事やマナー違反の具体例を紹介

神社で伝える願い事には守るべきマナーがあります。不適切な願い事や参拝時のタブーを避けることで、より誠実な気持ちが伝わります。

避けるべき願い事やタブーの例

• 他人の不幸や損失を願うこと
• 自分だけが得をする利己的な願い
• 宝くじ当選やギャンブルの勝利といった偶然性の高い願い
• 葬儀や死に関する願いごと（神社は神聖な場のため、死や不浄を持ち込まないのが基本）

マナー違反の具体例

• 鳥居をくぐる時に一礼しない
• 境内で大声を出す、走る
• 賽銭を投げつけるなど乱暴な扱い
• 神前で写真撮影禁止の場所での撮影
• 二礼二拍手一礼の作法を無視する

参拝時は以下の点に注意しましょう。

• 願い事は前向きで誠実な内容にする
• 神様や他の参拝者への尊重と感謝を忘れない
• 禁止事項や作法を守る

これらの基本を押さえることで、神社での参拝がより意義深いものとなります。正しい作法を守り、心を込めて願い事を伝えることが大切です。

初詣・厄払い・祈祷など特別な参拝方法と神社ごとの違い

初詣の参拝作法・混雑時のマナー

初詣は一年の始まりに神社を訪れ、無事を祈願する日本の伝統行事です。参拝には正しい作法があり、特に混雑時には注意が必要です。鳥居をくぐる際は一礼し、中央を避けて歩くのがマナーです。手水舎で手と口を清めたら、拝殿前でお賽銭を静かに入れ、お参りします。

混雑時は、長蛇の列や周囲への配慮が求められるため、次のポイントを守りましょう。

• 一列で静かに並ぶ
• 手水や拝殿では譲り合う
• 大声や写真撮影を控える
• お賽銭は事前に用意

多くの人がいる中でも、周囲への気遣いを忘れずに行動することで、気持ち良く参拝できます。

厄払い・祈祷の受け方と予約方法

厄払い・祈祷は、人生の節目や災厄除けを目的に神職が執り行う特別な儀式です。受けたい場合は、事前に神社へ連絡し、予約や受付方法を確認しましょう。多くの神社では、電話や公式サイトから予約可能です。

当日は、受付で祈願内容や名前、住所を記入し、初穂料（祈祷料）を納めます。服装は清潔感が大切で、派手すぎない格好が適しています。流れは次の通りです。

1. 受付で祈祷申込
2. 待合室で待機
3. 神殿で祈祷を受ける
4. 祈祷後にお札やお守りを受け取る

御祈祷は神聖な場で行われるため、静粛な態度と神職の案内に従うことが重要です。

神社ごとの参拝作法の違い

神社によって参拝作法や習慣には独自の特徴が見られます。例えば、弁財天では手水の後に鈴を鳴らす場合が多く、天満宮は学問成就の祈願が盛んです。八幡宮では武運長久を願う参拝が特徴で、拝礼の作法やお賽銭のタイミングが少し異なることもあります。

下記のテーブルで、有名神社の違いを比較できます。

神社名	主なご利益	特有の作法・習慣
弁財天	金運・芸能・学問	鈴を鳴らしてから参拝する
天満宮	学業成就	合格祈願のお守りや絵馬が豊富
八幡宮	勝負運・厄除け	戦勝祈願、拝礼時の所作が特徴的

参拝前には公式サイトや案内板でルールを確認し、それぞれの神社の伝統やマナーに敬意を持って参拝することが大切です。

神社参拝にまつわる細かな疑問と実用Q&A集

御朱印・おみくじ・お守りの取り扱い – 御朱印のもらい方、引いたおみくじの扱い方、お守り購入のタイミングを解説

御朱印は神社の参拝証明としていただくもので、参拝後に授与所で申し出て受け取ります。御朱印帳を持参し、係員に丁寧に渡してください。おみくじは引いた後、内容をよく読み、願い事や今後の参考にします。結果が悪かった場合は境内の指定の場所に結び、良い結果なら持ち帰っても問題ありません。

お守りは参拝後に授与所で購入します。種類は「交通安全」「健康」「学業成就」などさまざま。願いに合わせて選び、身につけたりカバンに入れるのが一般的です。

項目	基本マナー	注意点
御朱印	参拝後に授与所で受け取る。御朱印帳を渡す	写真撮影は控える
おみくじ	引いた後内容を読み、必要に応じて結ぶ	捨てずに指定場所に結ぶ
お守り	参拝後に授与所で購入。お願いごとに合うものを選ぶ	1年ごとに新しいものにするのが理想

小さい神社・神棚・無人神社の参拝方法 – 規模が小さい神社や家庭内の神棚へのお参り方法を説明

小さな神社や無人の神社でも、基本の作法は変わりません。鳥居の前で一礼し、参道は中央を避けて進みます。手水舎がない場合は、心の中で清める気持ちを持つことが大切です。賽銭箱があれば賽銭を入れ、二礼二拍手一礼で拝礼します。

家庭の神棚にお参りする際は、毎朝静かに手を合わせ感謝の気持ちを伝えます。神棚の前で軽く一礼し、榊やお米、水などのお供えを新しくすると良いでしょう。

• 鳥居がある場合は必ず一礼
• 手水舎がなくても心で清める意識を持つ
• 神棚へのお参りは朝が最適

参拝時の困りごと対処法 – 子連れ参拝、混雑時の対応など実際的な問題解決策を紹介

子連れで参拝する場合は、境内で走り回らないよう注意し、小さい子どもには作法を優しく教えましょう。ベビーカーの利用は混雑時を避け、周囲への配慮を忘れずに。

混雑する初詣や祭典時は、時間帯をずらすのがおすすめです。早朝や平日の午後は比較的空いています。長時間並ぶ場合は防寒や水分補給の準備も重要です。

• 子どもには簡単な作法を伝える
• 混雑時は無理せず時間を調整
• 周囲の人への配慮を忘れない

困りごと	対処法
子連れ参拝	作法を簡単に説明し、境内での安全に注意
混雑時	早朝や平日の参拝、必要に応じて並ぶ準備（防寒・水分補給）
ベビーカー利用	人混みを避けて移動し、周囲に配慮

アクセス

名称・・・大稲荷神社
所在地・・・〒250-0045　神奈川県小田原市城山1-22-1
電話番号・・・090-3478-4699